採用担当者に対するプレッシャー。ちゃんと人員計画を立てよ!という無理難題の指示。でも、経営にとっては欠かせない人員計画。その難しさと、大事さについて、坪谷氏((株)壺中天 代表取締役)、秋山氏(採用市場研究所 所長)にインタビューをいただきながら掘り下げました。これは、両氏による「図解採用入門」ご執筆に向けた連載記事Logmiに掲載されています。要約は以下へ。インタビュー記事は、二つのリンク先を是非ご覧ください。
https://logmi.jp/main/management/331261
https://logmi.jp/main/management/331263
【記事要約】
・採用担当者のミッションとして「次年度、何名を採用すべきかを検討せよ」というお題は、実は一人で対応すべき企画仕事ではなく、経営として取り組むべき非常に重要なもの。なのに、検討せよ、の一言で済まされ、当然やりきれずに、毎年未完了に!
・次年度の採用のことを考えるときにはじめて人員計画を考えても、もう間に合わない。
・人員計画策定は、1000~2000名の組織規模でも、半年から1年程度を要する。
・仮に、万が一取り組んだとしても、正面から取り組むと経営もしくは各部門と“対決”することになってしまう。したがって、担当者としては、波風を立てずにそっとやる方が心地よく、前年踏襲になりがち。
・人員計画は、本当は10年先、20年先まで見通すべきだが、そこまで責任が持てる人は、実は、会社の中にはほとんどいない。
・人が欲しいというのは、ほぼ“今”欲しいというだけで、現場は将来の人員需給について考えている余裕はない。
・いきなり何人にしよう!?ではなく、どのような生産性の組織を作るかを考える。人的生産性の計画を立てることが大事。
・将来の人員計画の見通しのためには、自前でやるか、人がやるか・機械に置き換えるかについても、同時に検討する必要がある。
・どのような人員構成とするかの見通しも作ることが大事。
・「人事の管理会計」の整備が非常に大事。企業としてルール化、テンプレート化をしておくことで、人が代わっても同じやり方、要領で人員計画を立て続けられるようになる。
・10年以上先の将来にわたって、「どんな組織体でどれぐらいの規模感で居続けたいのか」という、誰にも答えられないような禅問答的な仮説をも持っていないといけない。
・短期的な財務制約を重視し過ぎて、採用を簡単に諦めてはならない。
・採用を止めた時のレピュテーションリスクは非常に厳しく、一度持たれてしまった印象(この会社は採用を止めているらしい、採用できないほど苦しいらしい等)を拭い去ることは非常に難しい。
・人員ピラミッドは年輪のようなもので、会社の意思決定の歴史でもある。
・自社が採用したり、育成したりすることが得意な人材・不得意な人材がいる。そこには簡単には抗えない。それを変えるときには相当の覚悟が必要。
・企業文化、既存メンバーの意識、育成方法など、全方位での投資と変革が欠かせない。