この絵は、人的資本イノベーション研究所設立に込めた想いを表現したものです。
タイトルは、「本気」とネーミングしました。あえて少し青臭くても良いので、それを思い切って表現してみたいと考えました。それは、現代の“仕事”や“働く”ということに対する「本気」が薄らいでしまっているのでは?という強い問題意識があるからです。
我々は、この現代において「本気」になることを恐れてしまっているのではないか?という何とも言えない気持ちがずっとあります。
例えば、、、
「仕事なんてこなしておけばいいでしょ」
「社命や上司の指示に基づいてやらないといけないのでやっているだけだし」
「本当は別にやりたくないけど、仕方がないからやっている」
「まぁ、できるだけラクしてやろう」
「しんどい思いは嫌だし、そもそも仕事はほどほどにスマートにというのがカッコいいでしょ」「ライフワークバランスなども意識しつつね」
「そんなに全精力を込めても報われないしね」
「そもそも仕事なんかに熱中するって恥ずかしくない?」
こんな声を、ずっと聞いている気がします。
しかも、良くないことに、どちかといえばそれを肯定したり、後押ししたりするような風潮や取り組みがあります。実際、エンゲージメントの意味を取り違え、社員の顔色をうかがうようなマネジメントが一つの流行になっていたりもします。
経営者でさえも「本気」を真正面から表現することを怖がる風潮も出てきています。その象徴が、ベンチマーク、他社事例、論理的な正しさ、事実に基づいた明確な根拠、前例踏襲などに過度にこだわり過ぎる経営者の姿です。
そこで改めて、人的資本イノベーション研究所の設立趣旨である、「日本の人的資本を世界最高水準へ」に本気で取り組む、ということを肝に銘じたいという思いで、この絵を描きました。
(※この絵は、協業者でもあるOVERALLs様にご依頼し、ワークショップを通じて私自身の想いを改めて引き出していただき、様々な形でのアートとしての表現にチャレンジいただくなど、数か月のプロジェクトを通じて、完成していただいたものです。)
絵に込めた想いとして、いくつかのキーワードがあります。
きちんと本気になりたい、妥協したくない、とことん追求したい、ちゃんと必死になりたい、本物を大切にしたい、みんなで取り組みたい、くすぶる何かを解放したい、仕事や働くことに向き合う人の気持ちを解放したい、全員で輝きたい、そして最後にはみんなで笑い合いたい、、、
絵の創作プロセスで何度も出たフレーズです。
もちろん、簡単ではありません。実際、そこに向かえない、向かいにくい、苦しい、歯がゆい、もどかしい、もうやめておくか、と思うことの方が多いのが正直なところです。
実際、多くの日本企業で、「そんなこと言ったって…、今、世界は激動しているし、毎日いろんなことが起こるし、そんな青臭いこと、夢のようなこと…、とりあえずは後回し。確かに、いつかはやりたいけどね」そんな反応に出会うこともやはりあります。
でも、それをずっと繰り返してきたのが、ここ数十年なのではないか、という思いがあります。実際、何世代の人がすでに引退していってしまったのか。時間はあるようでない。長いようで短い。10年、20年と、特に大きな変化もないまま過ぎ去っていってしまうものです。しかも、難しいことに、変化をしない、変わらないここちよさもあります。どうやら、これには格別のものがあるようです。
ここで、改めて宣言したいと思います。
わたしは「日本の人的資本を世界最高水準へ」に本気で取り組みたいと思います。
それは多分、今しかないと思うからです。楽観的に、でも本気で。やり過ぎず、でもとことん努力してみたいと思います。