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No.3 昇格 悪魔の辞典風:人的資本版

・人は無能になるまで昇格する        
・活躍できなくなるタイミングを確認するもの
・活躍できなくなるまで昇格してしまい、本人にもまわりにも不幸を生む

 昇格は、会社で働く人にとってとても重要なものだ。今のがんばりが認められたことの証でもある。その時点で任せられている仕事をやり遂げ、成果を出していることを根拠として、昇格させるべきか否かといった議論が一般的にはされる。しかし、ここに問題がある。それは、次の等級や役職で活躍できるかどうかの検証が不十分なまま昇格してしまう不幸である。

 在籍しているポジションや等級において担っている役割を完遂できても、昇格後に担う役割や役職をこなせるとは限らない。そうするとどうなるか。昇格後に、活躍できずに苦労してしまう不幸な人を作り出してしまうのである。しかも、昇格後は、役割も大きくなるし、場合によっては部下もつく。すなわち、本人のみならず、組織に与えるマイナス影響も大きくなってしまう。しかも、この状態はキャリアの後半や引退前の数年に味わうことも多い。せっかくそこまでがんばってきてキャリアの最後の思い出が、「活躍できない苦しみ」では悲しすぎる。

 「人は無能になるまで昇格する」、といった言葉でこのことを揶揄する話を聞いたこともある。せっかくの誉でもある昇格。全員にとって幸せな結果を産みたいものである。

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人的資本イノベーション研究所は、「日本の人的資本を世界最高水準へ」を掲げ、その実現に向けてコミットしています。人的資本経営の成功に向けた伴走、人的資本イノベーションに関する講演、書籍等の執筆を数々手掛ける岡本 努が代表を務めます。これからの時代にイノベーションを起こす人的資本マネジメントのことならお任せください。