・あなたは私の部下であると、上下関係をはっきりとさせる場
・上司が、わかった風なセリフで、気持ちよくなれる場
・やられる側は、それっぽく話して、やり過ごそうとする場
・単なる業務報告・確認の場
組織として、上司・部下の間でのコミュニケーション量を増やそう、あるいは従業員に気軽に相談できる機会を設けよう、多頻度・タイムリーなフィードバック機会を設定することで気づきや学びを得る場を作ろう、日々の業務上の指示・命令ではなくキャリアなど様々なことを相談できる機会を設けようといったことを意図して、1on1と呼ばれる面談機会を設けている会社が増えている。
このような面談は、実はとても難しい。面談の場で相談される側(一般的にはレポートライン上の上司や斜め上に当たる上位者等)が、きちんと準備を行う、このような場でのコミュニケーションの仕方(コーチングやカウンセリングなどの基礎知識)を学ぶ、そして上司側自ら時間と場所をきちんと確保するようなケースは、非常に有効に機能することが期待される。
しかし、しかしである。多くのケースにおいてそうなっていないのである。何も準備をしない、説教を始める、業務連絡で終わらせる、そもそも忙しいことを理由にやらない、妙に上から目線で語る、さらに悪いケースだと、ダメ出しをする、そんな状況になってしまっていないだろうか。すなわち、1on1という面談の場に、相談する側として臨む立場からすると「たまったもんじゃない」「何とか避けたい」時間なのである。残念ながらその面談をせざるを得なくなった場合には、相談をしているフリを始めることすらある。
相談を受ける側は、かなり準備をしないと、そして会社としてきちんとそこに投資をしないと、この面談がきっかけで退職しようと思ってしまってもおかしくない。多くのケースにおいて、誰も望んでいないこの不幸な仕組み。活かすか、廃止するか、改めて考えた方がよいかもしれない。